己は何にも成れなかったと言ったが、つまりそれは、悪党にも成らなかったという事だ。
小説;たぶんねこ 著者;畠中恵
成仏できなかった幽霊に対して、高僧が言った一言。
今回は、畠中恵さんの小説“たぶんねこ”の中から一文を紹介します。
現世でいろいろなことに挑戦したけど、結局何にも成ることができずに、情けなくて、“自分は何のために生まれてきたんだろう”と成仏できなかった幽霊の月丸がこの物語の登場人物です。
自分には肩書きと呼べるものがない。どこにも所属していない。自分を表す言葉がない。
どこか幽霊月丸に共感して、この物語を読んでいました。笑
そんな成仏できない幽霊月丸に言った僧の一言が、わたしの心に“ズシン”と響ました。
「何にも成らなかったが、“悪党にも成らなかった”」という言葉です。
そうなんですよね。
犯罪は犯していないんです。なのに、自分に肩書きがないこと(成し得たものがないこと)を、犯罪を犯したかのように罰している自分がいることに気づかされたのです。
それに、
今まで生きてこれたってことは、何かあるかも?
何者でもないってことは、何者にでもなれるってことかな?
肩書きなんて、なくても困らないし、欲しかったら自分で作ったらいいやん!
と思えてきたら、気持ちがかる〜くなりました。
みなさんは、幽霊の月丸さんのように成仏できない思いはありませんか?
本当に犯罪を犯していないなら、自分を責めないでいいですよね。
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